首相官邸
Shushō Kantei
首相官邸
日本の首相は、国会での承認を受けた後、天皇により正式に任命される。首相は政府のトップとして内閣を指揮監督し、また内閣総理大臣として国務大臣を任命する権限を持つ。現在の首相は2021年に就任した岸田文雄。首相官邸の公式ホームページでは、現職の首相、また歴代首相の憲法改正に関する発言やインタビューの記録が掲載されている。
皇室典範に関する有識者会議
皇室典範に関する有識者会議は、2004年に小泉純一郎内閣によって設置された。当時、1965年の秋篠宮文仁親王の誕生以来、男性皇族の誕生がなかったため、皇室典範によって男系男子に限定されている皇位継承が困難になることへの危機感があった。有識者会議の座長は、元東京大学総長の吉川弘之(工学者)が務めた。メンバーには緒方貞子(国際協力機構理事長、国際政治学者)、佐々木毅(学習院大学教授、政治学者)らが名を連ねた。2005年には、「女性天皇」、「長子優先」、「女系天皇(皇族女性が民間男性と結婚することで生まれた子に皇位継承権を認める)」を骨子とした報告書を提出した。後に2006年に秋篠宮文仁親王と同妃紀子の間に悠仁親王が誕生したことで、「女性天皇」、「女系天皇」の議論は実質、立ち消えとなった。
安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)
安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)は2007年、集団的自衛権の行使に関わる憲法上の問題を議論することを目的に、当時の安倍内閣により設置された。当懇談会は2008年から活動休止期間を経た後、2012年より活動を再開している。2008年に提出された報告書では、安倍前首相により示された4類型(①公海における米艦の防護、②米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃、③国際的な平和活動における武器使用、④同じ国連PKO 等に参加している他国の活動に対する後方支援について)の安全保障問題を検討。さらに2014年の報告書では、2008年に示された4類型に加え新たな具体的行動案が追加され、当懇談会による憲法解釈が示されている。これを受け政府は翌年、限定的に集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案を成立。一方この法案に関しては、集団的自衛権行使の範囲が曖昧であるなど、批判の声も上がっている。 当懇談会の概要は首相官邸の公式ホームページより閲覧可能であり、2014年及び2008年に作成された報告書は日本語及び英語で掲載されている。