読売新聞
Yomiuri Shimbun
『読売新聞』は1980年代以降長年、安定して国内発行部数で首位を維持してきた全国紙である。
1874年に東京で『讀賣新聞』として創刊され、漢字にふりがなを振るなど庶民のための新聞を目指した。1897年には大衆小説の先駆けといえる尾崎紅葉による『金色夜叉』の連載を開始した。1917年に商号を日就社から読売新聞社に変更、1934年にはプロ野球団の大日本東京野球倶楽部(現読売ジャイアンツ)を創設、部数を伸ばした。戦後は大阪を皮切りに全国各地で発行を開始、同紙は全国紙となる。同社は合併、買収、新規事業で成長をつづけ、商号変更を経て読売新聞グループ本社として一大グループ企業となった。傘下には、メディア事業ではスポーツ新聞(『スポーツ報知』)を発行する報知新聞社、出版社中央公論新社の他、日本テレビ、読売テレビなどのテレビ局や各地のラジオ局を持ち、その他遊園地や交響楽団などの事業も展開している。
『読売新聞』は1994、2000、2004年の三度に渡り、「読売憲法改正試案」を発表した。同試案では最大の特徴として国民主権と国際協力を規定する章がそれぞれ新設されている。安全保障に関しては、自衛のための軍隊保持を明記すると同時に、文民統制と軍への強制参加の拒否が併記されている。また、国民の権利と義務の章には環境権が加えられた。