西修ゼミナール、駒澤大学
NISHI Osamu Zemināru, Komazawa Daigaku
憲法学を専門とする法学者西修は、改憲を目指す立場から憲法論議の活発化を目的とする「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(通称「民間憲法臨調」)運営委員長を務めるなど、改憲を主張する保守の論客として知られる。同大学で指導にあたった学生と共同で「駒澤大学・西ゼミナール」の署名で1991年に『平成憲法草案』を作成した。同草案は、1994年に再検討と修正を加えた上で発表された。なお、西は2011年3月に駒澤大学の教授職を定年退職している。
『平成憲法草案』は、分かりやすい文体を心がけ、作成された。天皇については、「象徴的国家元首」と規定している。現行憲法第九条に関しては、自衛隊と国連の平和維持活動(PKO)への参加が合憲であるという共通の理解が得られれば、あえて改正の必要はないという立場をとっている。「第3章 国民の権利と義務」では、外国人の人権、知る権利、プライバシー、家庭の存在、環境保護、生涯教育などが盛り込まれた。