産経新聞
Sankei Shimbun
『産経新聞』を発刊する産業経済新聞社はフジサンケイグループの新聞社、出版社である。フジサンケイグループはフジテレビジョン(テレビ局)、ニッポン放送・文化放送(ラジオ局)、ポニーキャニオン(レコード会社)を含む多様なマス・メディアを傘下に持つメディア・コングロマリットである。
『産経新聞』の歴史は、1933年に大阪で夕刊大阪新聞社から創刊された『日本工業新聞』に始まる。1942年に社号が産業経済新聞社に改称され『産業経済新聞』となる。戦後には東京での発行を開始、1955年に東京発行紙が『時事新報』と合同したことで『産経時事』となった後、1959年に東西の新聞名を『産経新聞』に統一した。その前年の1958年には財政再建に伴い、経営首脳陣に経済界からの人材を受け入れた。『日本工業新聞』創刊から同紙を率いてきた前田久吉の退任と水野成夫新社長の就任を機に、同紙の論調を保守的な路線に転換した。同路線は1968年就任の鹿内信隆新社長にも引き継がれ、改憲の主張が全面に押し出されるようになった。
2013年に『産経新聞』は同紙創刊80周年にあたり、「国民の憲法」と題した改正草案を紙面で発表した。同草案の特徴としては、天皇の元首化と男系子孫による皇位継承の維持、国旗・国歌の尊重の義務付け、内閣総理大臣が最高指揮権を行使する軍の保持、家族の尊重規定などが挙げられる。緊急事態条項の新設、国民の国防義務の明記も盛り込まれた。